創作三河木綿「なごみの風」の織元さんです。
昨年東京の展示会で、一目見た瞬間から魅せられてしまいました。
これまでの規則正しい三河木綿とは、全く違った印象でした。
美しい色を重ねた不揃いな縞、色々な糸を使用した楽しく自由な織物です。
エコ製品だからこそ、美しくなくてはならない。
初めて繊維リサイクルに取り組んだ時から、思い続けてきました。
反毛により蘇ったエコ布の古布のような風合いが好きです。
「なごみの風」を合わせたら、もっと素敵です。
「たくさん売りたくない。楽しいのが一番。」と微笑む
織り手の小田順子さんが、素晴らしいです。
一流デパートからの申込も断ったそうです。
以前は子供達のため紙芝居を作り、あちこちから引っ張りだこでした。
絵本も出版されています。
NHKの特集番組で取材された事も納得です。
作品を見せて戴きながら創作への楽しいお話を伺う内に
あっと言う間に3時間が、過ぎていました。
温厚なご主人様もずっとご一緒でした。
時々、お孫さんが顔を出し順子さんの気を引きます。
黒猫のカゲトラ君は、そばでおとなしく寝そべっています。
人間としてバランスの取れた方だと思いました。
美しい生き方をされています。
新しい織地を分けて戴き、私の両親の作務衣とワンピースの製作もお願いして
満ち足りた気分で帰路につきました。
帰りの車内で、同行した縫製マネージャーの杉原さんが、
「声も、お顔も亡き母にそっくりな方でした。」
と言ったのにはびっくりしました。
彼女も静かな感動の中にいるようでした。