「マンションを買いました。」と報告がありました。
「中古だけれど、会社にも息子の中学にも近いです。」と、嬉しそう。
「日之出さんのおかげです。私が払っていかなければならいから・・・
大変ですけど・・・頑張ります。」
思いがけない言葉・・・
少ない給料なのに・・・
胸に熱いものが込み上げてきました。
Oさんは、昨年2月に入社しました。
「気は優しくて力持ちの男性」を探し求めていた時でした。
不況と、正社員登用制度ありの文言のためか、たくさんの応募がありました。
書類選考に残った方々を10人同時に面接したこともありました。
難関を突破したOさんでしたが、最初のもくろみと違っていたのは、
”気は優しくて力持ちの女性”だったのです。
明るくきちんとした受け答え、丁寧な仕事、ハンドルの重量ケースを
「少し重いですね。」とニッコリと持ち上げる力強さ、
職人肌の先輩の厳しい指導も真摯に受け入れる素直さ・・・。
以前トラックの運転手をしていたそうです。
家事を手伝ってくれていたお母さんが具合が悪くなった時、
家庭と仕事の両立が難しくなりました。
不規則な仕事をやめ、朝8時半から5時半までの運送の仕事を
探したのですが、ひとつもありませんでした。
それどころか、継続して八時間働ける仕事さえほとんどなかったのです。
生産チームリーダーから○△□などとチェックを受けながら・・・
もちろん女性という甘えは一切許されませんが・・・・
少しずつできることが増え、去年の4月に、晴れて正社員となりました。
過去には、数人の男性が正社員を目指しましたが、誰も達成しなかったのです。
わずか2ヶ月のスピード登用でした。
決してでしゃばらず、遠慮し過ぎず、食堂での会話も朗らかに楽しみ、
古くからの社員さん達とも、すっかり打ち解けました。
一人はみんなのために、
みんなは一人のために
全社員の力を結集して、難局に立ち向かって行こうと思います。
ゆりこ