日本初のモップメーカー日之出株式会社の松本ゆり子です。
こどもが大好きな私ですが、以前幼稚園モップを作ったことがあります。社長になって間もないころ、仕入先のアルマイト加工会社のY社長様が来社され、幼稚園グッズをつくっていると話されました。
最近公園でも幼稚園でも立派な遊具が整備されています。一時は自然な感じのする木製のものが流行ったのですが、やっぱり色美しくさびないアルミ製が一番です。
豊橋総合スポーツ公園
遊具といっても立派なものは、~千万円もするそうです。少子化なのにと思いますが、子どもが少ないからこそ、選ばれる幼稚園へと差別化する必要があるそうなのです。
ルートがあるので、何でも提案してくださいと言われて張り切りました。何しろ子ども大好きですし、図書館ボランティアで子ども達が喜ぶことばかりを考えてきた経験があります。
ちょうど娘が通学していた芸大の作品展で紙管を利用した、イスにも机にもユリカゴにもなる「ユリコロ」という遊具をみて感動したばかりでした。
早速大学に連絡して、その学生さんとお話しすることができました。大きな「ユリコロ」を持って名古屋から電車に乗って、豊橋に来てくださったIさんにお会いした時は嬉しかったです。Y社長も気に入ってくださり、とんとん拍子に話が進んだのですが・・・・・
数ウカ月後、最後の最後にボツとなりました。
紙製の軽い紙管なのですが、ゆりかごとして使うとき、手や足を挟む恐れがあるとのことでした。私も孫のために買いたい素敵な商品でしたのでとても残念でした。
その後、幼児の躾をする教育システムも考え中と聞いて、「幼稚園児専用のモップで自分の身の回りをお掃除するというのはどうですか。」と冗談のように言いましたら・・・採用になってしまいました。
当時全国に40,000軒の幼稚園・保育園があり、少なくても4,000,000人の園児がいるとのことでした。幼稚園グッズの商社さんに約1,000人のセールスマンがいて、幼稚園へお届けするサンプルだけでも最低4,000本必要だそうです。
モップだけではつまらないので、手動式の掃除機など何点かとセットにして売り出す企画も決まりました。
張り切って、小さめで短いモップをせっせと作り無事に納品しましたが・・・・それっきりでした。いろんなものをセットにしたため、お値段が高くなってしまったせいなのか、セールスマンがどう説明すればいいのかわからなかったのか・・・サンプル出荷だけで終わってしまいました。
考えてみれば、モップと小さめのマイクロファイバークロスだけで良かったと思います。
また機会があれば、幼稚園グッズやこどもが喜ぶ商品を作ってみたいです。
最後に、惜しくも採用に至らなかった「ユリコロ」の作り手Iさんは、このご縁でM社長の会社に入社して新製品企画デザイナーとして活躍したのが嬉しかったです。
ゆりこ