日本初のモップメーカー日之出株式会社の松本ゆり子です。
皆様は、何歳まで働きたいと思っていらっしゃいますか?
私は、お仕事が好きな方は年齢に関係なく好きなだけ働いた方がいいと思っています。日之出には後期高齢者の方もいらっしゃるのですが、すごく元気で楽しそうに働いてくれています。同じ年頃の方でディサービスに通っていらっしゃる方も多いのですが、お仕事が好きな方は会社の方が楽しそうです。
今日、嘱託のTさんと、Iさんの契約更新をしました。二人とも元気でまた一年働いて下さることになりありがたいです。Tさんは勤続18年、モップの糸作りのエキスパートです。20数種もあるモップ糸を機械で規格に合わせて造りあげるという責任ある仕事を一人で担っています。後継者と期待されたOさんがお父様の介護のため退職して気落ちしていたのですが、来月から良い方が入社することになり張り切っています。責任感が強いので、あまり一生懸命教えすぎないよう、「ゆっくり気長に教えてね。二人で糸作りと他の仕事を半分づつやればお互い休みもとりやすいし。」といいますと。以前に比べると体力も能力も落ちて他の仕事をしても前のようにお役に立てないと嘆くので、「そうは見えませんが、もし仮に今の能力が8になっていたとしても、余りある他の能力があるので、それで十分です。経験と知恵、愛社精神、協力精神、子育てしている若い人を思いやる気持ち、そんなオーラが若い方に伝染して会社が良くなるのです。」「8しか無いのではなく、8あれば十分、もう65歳ではなく、まだ65歳。」と言うとパッと表情が明るくなりました。
「後期高齢者になってもディサービスに行くより会社に通って給料をもらう方が楽しいし、国の費用も使わず世の中の役に立つ。」というと「世の中の役に立つのですね。」と更に嬉しそうです。身近にお手本があるのですから、実現可能と希望が出ます。
Iさんは、まもなく68歳、モップ縫製機のオペレーターでしたが、50代半ばからミシンを練習してマスターしました。いつも「電車代がかかってすみません。」と謝られるのが心苦しく、「いえいえ、わざわざ電車に乗って遠いところからありがとう。」とお礼をいいます。昨年一時仕事が少なくて、シニアの方々に時短していただいたのが辛かったのかと申し訳ない気持ちになります。Iさんにも同じ話をすると、もともと明るい性格なので、表情も華やぎます。「とりあえず4年後、日之出100周年まで頑張りたい。」そうです。
人間目標ができると、気力が出るし、そのために体調や日々の暮らしも整える努力をすることができるのです。皆と同じような年代の私も、もう少し毎日の暮らしに気をつけて、健康で頑張れるよう心がけようと思います。
ゆりこ