日本初のモップメーカー日之出株式会社の松本ゆり子です。
豊橋でガラ紡に携わって来られた友人達の「繊維のよもやま話」をほの国百貨店に聞きに行ってきました。
ガラ紡というのは、明治初期に発明された動力が少なく繊維長の短いワタでも糸に紡げる簡単な構造の紡績機です。海外の先進織機の導入により、一度は衰退したのですが、上質なワタが手に入らなくなった戦中戦後に復活し一大ブームになったのでした。モノが豊富になるに連れ再び衰退したのですが、不揃いのネップのある風合いの面白さと吸水性の良さで根強い人気があり、一部の愛好者の間で細々と生き残っているようです。そんな風前の灯火のガラ紡の良さに着目した「カンボジアコットンクラブ」代表古沢氏の呼びかけで、カンボジアの貧困な地方に産業をおこして支援しようという試みが三年前から始まったのです。
芳賀織布工場の芳賀社長、
元繊維商社社長の川合さん、
繊維のベテランの浅井さんはじめ大工さんも含めたボランティアメンバーが、ガラ紡機を再生してカンボジアに送り、試作が始まりました。
帆前掛けで有名な芳賀織布工場さんとは、60年年来のお付き合いで、長い間日之出の「乙女雑巾」織っていただいていたのです。雑巾が乙女?皆様びっくりされる名前ですが、東京の一流デパートで販売され、指名入札になるような人気雑巾だったのです。実は「乙女雑巾」も40年前まではガラ紡、その後は特紡(特殊紡績)で織られてきたのですが、数年前に廃盤になりました。芳賀さんで採算が合わなくなったのと、日之出に高い値段で販売する能力が無かったのです。
”乙女雑巾”の危機
帆前掛けの方は、東京のエニシングの西村社長が価値を見いだしブランド化して立派に継承してくださいますので、芳賀さんは心置きなくボランティアに打ち込めるのです。
ここでも「誰とやるのか」が一番大事というエクスマの考え方を実感しました。
西村社長とコラボして新しい価値を産み出すことができたら嬉しいと想います。
ゆりこ