依頼されたプリントマットのデザインにトライしています。
デザインマットには、違う色の絨毯生地を切り取って嵌め込んでいくインレイマット（象嵌タイプ）と、無地の絨毯に色を染めるプリントタイプがあるのですが、細かい文字や模様はやはりプリントでなければ表現できません。
プリントは一見簡単な気がしますが、紙や布に印刷するのと違って、絨毯の毛の1本1本に色を染付なければならないので、なかなか難しいのです。
写真と違って、色も通常6色、多くても16色しか使えないので、プリントする前のデザインが重要になってきます。
スッキリしたデザインが美しい愛知印刷工業様の創立50周年記念のアニバーサリーマットです。
流れるようなマークの色合いがポイントになって、全体を引き締めています。
字の大きさや配置、色使いもすごく重要です。
「おかげさまで皆様に愛されて」の文字が読めて、全体のバランスも良いことが大事です。
全体を5色ぐらいに抑えたので上品な仕上がりになっています。
写真からのプリントも簡単ではありません。
無数なほど色の表現がある写真を6色~16色に置き換えるのはとても難しいです。
そんな時セピアの濃淡で表現すると、自然で美しいデザインマットになります。
単色に見えますがセピアの6色の濃淡で表現されています。
光の当たり方、毛並みなども自然ですが、元の写真も良いことが必要です。
特に動物の写真は、目が生き生きと表現できると素敵な仕上がりになります。
モデルの実家の猫のアナちゃんの飼い主（弟です）は、とても喜んでしました。
毛筆でのアート書の素晴らしさが再現できるか試してみました。
見ると元気になれるアート書を本田蒼風さんに書いていただきました。
「日々是好日（ひびこれこうじつ）」です。
心配したのですが、墨の濃淡が見事に表現できました。
風情のあるアトリエの床に敷くととても素敵でした。
これからが楽しみの逸品になりました。
プリントマットと一言で言っても、いろいろな表現、手法があるので、なかなか難しいです。 基礎になるのは、やっぱり良いデザインです。 技術とセンスを併せ持ったデザイン力を磨きたいと思います。
ゆりこ